特殊汎用万能機動兵器 コスモ・シャドウ 改・改「ガイン」

 長き時のて、自己進化した人工知能GAINによって改修され、復活を遂げたコスモ・シャドウ 改。
 外観上の大きな変更点として、機体各所にブルーメタル製ブレードが多数装備されている。
 生成に莫大な時を要するブルーメタルだが、千年を越える時間を経た事で、充分な質・量を確保する事が可能となった。
 これらは、背部のものと比べ規模は小さいながら、インパクト・ドライブの機能も内蔵しており、更にブレード状となった事で、インパクト・ドライブの為に特化した四角錘形状と違い、攻撃・防御・機動 全てに柔軟な応用が可能となっている。
 とはいえ、元々 背部の一基のみで機体制御していたものを、全身に分散配置したのは、GAINの制御コントロール能力では“そうせざるを得なかった”と表現した方が正しい。
 逆説的では あるが、嵯峨の論理演算能力の異常な高さが見て取れる。
 嵯峨を失った事で、無制限のエネルギーを行使する事は出来なくなった為、補助エンジンとして新たに核融合動力炉を獲得している。
 更に、同様の理由から、嵯峨の能力に依存していた装備(ブレイカー・ライフル 等)は使用不可能となっている。
 新規に装備された肩部のモジュールは、本体とは別個に動力炉を持ち、攻防に使用可能な各種装備を内蔵する。
 防御機構の幾つかも復活しているが、ディメンジョン・クリスタルは失われたままの為、替わりに両腕に複合機能を有する小型シールドが装備されている。
 この小型シールドは、絶対的な防御能力を付加していたディメンジョン・クリスタルの穴を埋めるべく、表面に超臨界状態の空間を内包したフィールドを展開、相転移に近似した現象を引き起こし、あらゆるエネルギーを減衰させる。
 ディメンジョン・クリスタルが失われた事に伴い、単機でのHFドライブは不可能となっている。
 また、機体構造がマシンセルの単純集合構造から変化した事で、嵯峨でなくとも操れるようになっている。
 ただし、あくまでGAINによるGAINの為の機体であるゆえ、GAINが認めない者は搭乗を拒否される。
 ある意味では、G・サジタリアス艦載機群の特徴を全て兼ね備えた、真の最終形態とも言える。
 嵯峨の操っていた頃からすれば、パワーダウンはいなめないものの、この時代においても無敵の名をほしいままにする程度には強力な機体である。
 本来ならば名称は「コスモ・シャドウ 改・改」である筈だが、搭乗者に名乗ったGAINの名が、そのまま呼称となる。
 変更箇所・装備の多くは、元々 嵯峨が登録プログラムを済ませていた追加装備オプション案から、適切な物をGAINが選択チョイスした結果であり、GAINのオリジナルは基本的に無い。
 操縦方式はダイレクト・リンク・システム。
 これは、操縦者パイロットが内服したマシンセルが媒介となり脳波を伝達、機体を自らの手足 同様の感覚で稼動させるもの。
 重力下では問題は少ないものの、無重力においては三次元の空間認識能が必須。
 質量その他により生じる感覚の差異は、“感覚としての重さ”としてフィードバックされ、この為、初期のロックには想定外の負荷が掛かっていた。
 現在におけるGAINのポジションは、創造された当初と同じくナビゲーターのままであり、機体の制御権は有していない。
 ブルーメタルの精製や、機体の再構築が何故 可能となったのか。同時に、元来30mを越える大型機であったにも関わらず、外観の変化無しに六割程度(細かい事だが、頭部と その他の部分の縮小率は異なり、コクピット スペースは二割減程度に留まっている模様)まで縮小したのか、等は、現時点では謎である。
 余談ではあるが、航宙艦を拳の一撃で沈めていた あれは、あくまで嵯峨の能力に因る所であり、現在は、マニピュレータそのものを攻撃に使う事は出来ない(同じ事を しようとすれば、マニピュレータが損壊するだけである)。


  ・肩部 ブルーメタル ブレード 肩部の追加ユニットに接続された片刃の剣、「ブルーメタル ブレード」は、マニピュレータで保持して取り回す事が可能な他、ブレードを納めた基部より脱着 出来、遠隔誘導端末としての使用も可能。その刃先は、微細な振動によって物質の固有振動数に影響を与え、触れた物を分子分解する。現有の近接兵装と異なり、“切り裂く”武装であり、その切れ味は、あらゆる通常物質を紙の様に切断する。
  ・腕部シールド 内蔵バルカン砲 前腕部の装甲が除去された為、内蔵されていたバルカン砲は、砲身数を半分に減らした上で、腕部シールドに移設された。
  ・腕部シールド ブルーメタル クロー 腕部 爪状三連ブレード「ブルーメタル クロー」は、通常時は腕部シールド内に格納されており、必要に応じて射出される。これを利用し、パイルバンカーの様な使い方をする事も可能。
  ・ビーム・ブレード 励起させた重金属粒子を、剣の形状に設定された強磁界空間内に解放したもの。単純な破壊力も もちろん高いが、粒子を保持している磁界自体も、その強力さ故、対磁力防護された電子機器にもダメージを与える事が可能。応急装備ゆえに、常にマニピュレータで保持していたビーム・ブレードが、脛部の追加ユニットへ格納可能となった。これに伴い、装備数が2基に増えている。巡航形態時には、格納状態でビーム・ガンとしての使用が可能。収束率に難があり、破壊力は高いが、射程は短い。

○SPEC

型式 可変戦闘モジュール(特殊汎用万能機動兵器)
制式番号XBH-01-3
呼称ガイン
全長(巡航形態)22.1m(キャノン含む)
全高(人型形態)20.6m(自由稼動するキャノンを含む為、変動あり)
頭頂高18.5m
キャノン長16.4m
通常時重量17.3t
発動機HTハイパートリチウム−11A型発動機
コンピュータG・サジタリアス搭載ブラックボックス・コピー
搭載AIGAINuardian・dvanced・ntelligent・avigater)
構造単分子結晶モノコック構造
構造材軽金属複合アモルファス合金
エンジンフォトン・デジェネレイト・エンジン
サブエンジン核融合動力炉
推進装置インパクト・ドライブ
防御システム(外層から)
 グラビトン・ウォール
 超伝導バリア(反発フィールド発生器)
 EMC(Electro-Magnetic-Cyclone)
 腕部シールド
  及び兵装転用
武装 GDジードカノン MK‐V/2門
 量子クァンタム・カノン
 ブルーメタル・ブレード(肩部/腕部シールド/脚部)
 バルカン砲(腕部シールド内蔵)/4門(片腕2門)
 ビーム・ブレード/2基
特殊装備 マルチプル・ディスチャージャー/(煙幕弾スモーク欺瞞弾チャフ信号弾シグナル
乗員 1名
補足  主な変更点 :
  各ハードポイントへの、複合機能ユニットの追加装備(取り外し不可)


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